中東の緊張に米金利引き下げ慎重論を強化···「原油価格急騰時の影響可能性」

 

イスラエルに対するイランの報復攻撃で中東の地政学的緊張が高まった中で、国際原油価格上昇にともなうインフレ(物価上昇)憂慮により米国が基準金利引き下げに慎重な姿を見せる可能性があるという展望が出ている。

14日(現地時間)、マーケットウォッチによると、リサーチ業者キャピタルエコノミクスのニール·シアリング首席エコノミストは、今回の攻撃で米中央銀行である連邦準備制度(Fed·連邦準備制度)が基準金利引き下げに対してさらに慎重に接近する理由が増えるとこの日予想した。

彼は「9月に初めての金利引き下げがあると見る」と話した。 それと共に「エネルギー価格が来月急騰しないと仮定すると、欧州中央銀行(ECB)とイングランド銀行(BOE)は6月に金利を引き下げるだろう」と見た。

続いて現在最も大きな危険は拡大およびエネルギー市場の反応だとし、原油価格上昇時に主要国のインフレ鎮静がより一層複雑になりかねないと憂慮した。

彼はブレント油1バレル当り価格が1ヶ月前83ドルから先週90ドル水準に上がってきたとしながらも「通貨政策に重要な影響を及ぼすためにはさらに大きく持続的な原油価格上昇がなければならないだろう」と評価した。

国際原油価格の上昇はインフレ圧力として作用するだけに、世界経済を脅かすと同時に、米国をはじめ主要国の金利引き下げにも障害になるものと観測される。

原油価格の上昇が続く場合、ただでさえ遅れている米国の基準金利引き下げの時期がさらに遅れる可能性を排除できない。 これは他の国々の金利引き下げにも影響を及ぼすことになる。

すでにインフレが依然として続いている中で雇用指標は堅調に出てきて米国基準金利引き下げに対する期待が弱まっただけに、中東情勢不安は金利引き下げ期待に「泣き面に蜂」になりうる。

これに先立って、米国の3月の非農業雇用が市場展望値をはるかに上回ったのに続き、3月の消費者物価指数(CPI)上昇率は前年同月対比3.5%を記録し、3回連続で市場展望値を上回ったことが最近発表された。

これに伴い、投資家は当初期待した6月の代わりに7月や9月に初めて基準金利引き下げがあると展望を修正しており、年内金利引き下げ回数に対する期待も0.25%ポイントずつ3回から1~2回に減る雰囲気だ。

シカゴ商品取引所(CME)のフェドウォッチによると、金利先物市場では年末基準金利水準に対しては0.25%ずつ1回(27.9%)か2回(35.2%)下げると見る見解が過半数であり、連準の予想値である3回引き下げが現実化すると見る見解は21.3%に過ぎなかった。

最近、米国基準金利引き下げに対する慎重論が相次いで提起されている中で、サンフランシスコ連邦準備銀行(連銀)のメアリー·デイリー総裁は12日、強力な労働市場と堅調な消費を考慮する時、金利引き下げを急ぐ必要は全くないと評価した。

世界最大の資産運用会社「ブラックロック」のラリー·ピンク会長は同日、連邦準備制度理事会が今年の基準金利を2度引き下げると予想しながらも、インフレ目標(2%)を達成することはできないと見込んだ。

彼は「年初に皆が6回金利引き下げを予想する時、私は2回可能性を話した」とし、該当展望を依然として維持していると話した。

一方、シカゴのオスタン·グルスビー連銀総裁は、フォックスビジネスのインタビューで、「最近のCPI指標が懸念されるが、連邦準備制度が政策決定の際に重視する個人消費支出(PCE)価格指数の動きに注目する必要がある」と述べた。

 

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