ジェローム·パウエル連邦準備制度議長が基準金利引き上げの可能性はないと線を引いたが、「高金利長期化」(higher for longer)が避けられないという点を公式的に認めた。 景気萎縮なしにもインフレを抑え「ゴルディロックス」(熱くも冷たくもない景気)を作るというパウエルの自信が相当数後退した。
連準は1日(現地時間)、連邦公開市場委員会(FOMC)定例会議の2日目の会合を開き、基準金利を現行の5.25~5.5%に維持することを全会一致で決定した。 韓米金利の逆転幅は11ヵ月連続2%ポイントを維持した。 当分の間、韓米金利の差は縮まらない可能性が高くなった。
パウエル議長は記者会見で「次の基準金利変動が(金利)引き上げになるとは思えない。 現在の政策は制約的だと信じている」と明らかにし、市場で提起されている金利引き上げの可能性を遮断した。 だが「今年に入って今までデータは金利引き下げが適切だという確信を与えられなかった」として「インフレ数値が予想より高く出てきて、より大きな自信を得るには以前の予想より時間がさらにかかるだろう」と付け加えた。
連準はこれと共に、6月から月別国債償還限度を月600億ドルから250億ドルに縮小し、量的緊縮(QT)速度を減らすことにした。 財務省も20年ぶりに初めて国債市場に流動性を供給するために数十億ドルの国債を買い入れる「バイバック」(Buyback·早期償還)を今月末から始めることにした。 ピボット(緊縮政策書への転換)ではなく、高金利の状況が長期間持続し、発生する国債市場の混乱を減らすためだ。
ウォール街は連邦準備制度がせいぜい9月または12月頃に1、2回金利引き下げに乗り出すことができると見ている。 エバーコアISIは「パウエル基本メッセージは金利引き下げが中断されたのではなく延期されたもの」とし「2回の金利引き下げが可能だと見るが、経済が強い場合、12月やその後まで遅延が可能だ」と評価した。
この日、ニューヨーク証券市場はパウエル議長の金利引き上げ不可宣言に歓呼したが、同時に金利引き下げに時間がさらにかかる可能性があるという発言が悪材料として作用し、弱保合で締め切られた。 ただし、10年物国債金利は連準QT速度調節に財務部「バイバック」が好材料として作用し、4.64%まで下がった。